Areng River, Cardamom Mountains

カンボジア・中央カルダモン

東南アジア最大の原生森林地帯

カンボジア西部に広がるカルダモン山地は、東南アジアでもっとも原生的な森林地帯のひとつです。豊富な降水量を誇るこの地域に降り注ぐ雨は、北のトンレサップ湖や南のタイ湾へと流れ込みます。中央カルダモン保護林は、カルダモン山地の中心部に約40万ヘクタールに広がる保護区です。ここから流れ出る水は、3万人の人びとの飲料水として利用されるだけでなく、カンボジアの主要産業である農業と漁業にとっても不可欠な資源となっています。 

カルダモン山地は、そのアクセス性の悪さから、長年森林破壊の危機から免れてきました。しかし、国の情勢が安定し外部からの圧力が強まるにつれ、違法伐採や密猟、農地転換といった脅威に直面するようになりました。 

コンサベーション・インターナショナル(CI)は、2002年の中央カルダモン保護林設立当初から、その管理を支援しています。

活動

地元コミュニティの支援
地元コミュニティが自然を破壊せずに豊かに暮らせるよう、保全契約を通じた支援を行っています。保全契約の下では、コミュニティは森林伐採や密猟を行わない代わりに、農業支援や学校教師の給与、エコツーリズム開発など、コミュニティの発展に役立つ便益を受取ることができます。

違法行為の取締まり
管理計画の作成や管理効率化のための技術トレーニング、コミュニティとの連携を通じて、政府による保護林の管理を支援しています。政府レンジャーに加え、コミュニティレンジャーもパトロールを実施し、違法行為の取り締まりに貢献しています。

トラストファンド
広大な保護区を維持・保全していくには、長期にわたる安定的な資金が必要です。その手段のひとつがトラストファンドです。まとまった額の原資を運用することで、永続的に運用益を生み出し、保護地域の管理費を賄うことができます。世界的に多くの実績がある金融手法です。中央カルダモン保護林の管理のため、2016年1月にトラストファンドが立ち上げられました。

◆本プロジェクトはダイキン工業株式会社の支援を受けています。 ダイキン工業とのパートナーシップについてはこちら

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