インドでは、農村部の家庭の8割以上が主要なエネルギーを木質燃料に依存しています。化石燃料の高騰に伴い、企業の工場までもが、より安価で再生可能な木質燃料へと転換しつつあり、木質燃料の需要は、西ガーツ地域を含むインドの森林に対する強大な圧力となっています。
西ガーツ地域の森林地域の約9割が地元コミュニティによって所有・管理されており、また、この地域には、文化的・宗教的な重要性から、人々によって伝統的に守られてきた生物多様性豊かな森が点在しています。しかしながら、経済的機会に乏しく、森林の生態系サービスに自らの生活が依存しているという知識も不足しているため、コミュニティによる森林減少が進んでいます。
プロジェクトでは、地元NGOのAERF(*)と協力し、豊かな生物多様性を有し、人々の生活を支えてきた西ガーツの森林を保全する取り組みを進めています。
活動
保全契約
マハラシュトラ州ラトナギリ県およびシンドゥドゥルグ県の600ヘクタールの民有地を対象に、保全契約を通じた森林保全と自生種を用いた植林を実施しています。
薬効成分のある樹木の活用
この地域の豊かな森林には、薬効成分を有する収入源になりうる樹木が生育していますが、薪として伐られてしまうこともしばしばです。持続的に採取するためのトレーニングや高価格で販売するための認証の取得などを通じて、森林保全と両立する生計手段の開発に取り組んでいます。
高効率ストーブ
薪炭利用を目的とした森林伐採を抑制するため、高効率なバイオマスブリケット用ストーブをコミュニティに提供しています。このストーブは煙も少なく、住民の健康の面でもたいへん有効です。
* AERF(Applied Environmental Research Foundation)は、1994年に設立され、マハラシュトラ州Puneに本拠地を構えるNGOです。保全にかかわる研究と持続可能な発展に向けた実践に取り込んでいます。
◆本プロジェクトはダイキン工業株式会社の支援を受けています。 ダイキン工業とのパートナーシップについてはこちら
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